飛宏、鴻海のMIH電動車アライアンスに参加

鴻海の電動車オープンプラットフォームアライアンス「MIHアライアンス」には、これまでに201社のパートナー申請があり、20日には契約済みの124社のロゴが並ぶ「ロゴウォール」が公開されました。この中には、メディアテック、サンプラス、ファイソンなどの大手IC設計会社が名を連ねています。自動運転システムグループには、広達(Quanta)が出資する自動運転スタートアップのTier IVも参加しており、ソフトウェアアプリケーション層の機能要件を定義する役割を担います。

 

鴻海が提唱するMIHアライアンスは、わずか2カ月余りで201社を招集し、そのうち124社が既に契約を完了しました。20日にその企業ロゴが掲載されたロゴウォールが公開され、電動車業界の有力企業がMIHアライアンスの進展を見逃せない状況にあることが示されています。鴻海は、残りの77社は現在交渉および契約段階にあり、今後も随時更新が行われるとしています。

 

MIHアライアンスに早期参加した伝統的な自動車サプライチェーンの企業には、正新ゴム(Cheng Shin Rubber)、富本ゴム(Full-Run Rubber)、和大(Hota Industrial)、六和機械(Lioho Machine Works)、東陽(Tong Yang)、永彰機電(Yeong Guan)、永仁工業(Yeong Jinn)などが含まれています。また、エレクトロニクス業界からは、メディアテック、ファイソン、サンプラス、デルタ電子、光寶(Lite-On)、M31などの大手企業が参加し、外資企業ではクアルコム、STマイクロエレクトロニクス、テキサス・インスツルメンツが名を連ねています。さらに、アドバンテック、飛宏(Phihong)、康舒(AcBel)、台虹(Ta Ya)、騰輝(THT)、キャノン、立凱(L&K Engineering)などの部品メーカーも参加しています。外資では、世界的に有名な自動車用駆動システムメーカーのDANAも参加しており、115年以上の歴史を持ち、米国、欧州、日本の大手メーカー向けにトランスミッション、低・高電圧モーター、インバーター、コントローラー、熱管理ソリューションを提供しています。鴻海によると、DANAの参加により、MIHオープンプラットフォームはさらに先進的なソリューションを提供できるようになるとしています。

 

エネルギー管理技術で有名なグローバル企業イートン(Eaton)もメンバーに加わっています。鴻海によると、1911年設立のイートンは、動力輸送技術に取り組み続け、175カ国以上に拠点を構えています。MIHプラットフォーム利用者に、より信頼性が高く、効率的で安全な電力、油圧、機械動力の管理ソリューションを提供するため、双方の協力が進められています。また、テストおよび認証サービスにおいては、台湾のSGS-CCSおよびドイツのTÜVラインランドが協力して統一基準を策定し、教育訓練および認証サービスを提供します。これにより、MIHの各部品およびシステム開発者が、IATF 16949およびISO 26262の機能安全プロセス認証などの国際標準に準拠することが可能になります。

 

ソフトウェアアプリケーション面では、MIHプラットフォームはAWSのクラウドサービスを提供し、CarOTA社の先進的な計算技術を統合してパケットサイズを小さくし、安全で信頼性の高いワンストップOTAアップグレードとリモート診断ソリューションを提供します。

 

高度なレベル4以上の自動運転技術の開発においては、Quantaが出資する日本のスタートアップTier IV、AutoCore、および凌華(ADLINK)が自動運転システムチームを形成し、それぞれの役割を果たします。鴻海によると、Tier IVは「ソフトウェアアプリケーション層」の機能要件を定義し、AutoCoreは計算プラットフォームの設計、ADLINKはハードウェアと通信モジュールを提供します。MIHプラットフォームの使命は、電動車業界の協力を促進し、主要技術を実現し、テストおよび認証基準を確立することです。アライアンスメンバーの強みを活かし、開発コストの削減と開発期間の短縮を図ります。MIHプラットフォームの初の「EVキット」開発ツールキットは2021年1月に公開され、ソフトウェア通信インターフェースやハードウェアシステムアーキテクチャが提供される予定です。2月からは世界中の開発者が予約可能で、4月末には出荷が開始されます。

 

今後、このツールキットは、ドライブバイワイヤ、自動運転、IVIシステムなどの高度なEV車両機能の確認とテスト用のプラットフォームを提供し、車両全体、システム、または個別の技術サービスをサポートするほか、拡張可能でカスタマイズ可能な電子アーキテクチャを備え、自動運転システムコンポーネントの選択肢を提供します。

 

詳細については、ZEROVAをご参照ください。